2017年6月26日 (月)

狂った果実

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スケボーですっ転んで腕を負傷してからようやく復帰です。

やっぱり年取ると傷の治りが遅いしそれを金で解決しようとするとこが良くないですね。時間がたっぷりあるわけじゃないし昔に比べてセッカチで余裕がなくなってるんですよ。

で、気付いたらもう湿気が日本列島を覆っていて巷はすっかり梅雨の季節。いや、太陽の季節。若者たちの季節が到来間近ですよ。すっ転んで腕を痛めてるダサい大人は浜辺でフローズンダイキリなんて飲んじゃってサ。ま、いいや。

テレヴィではこれで何回めだかわからないけど石原裕次郎特集が組まれていて彼の実質的デビュー作「狂った果実」をNHK_BSでやっていました。ほぼ未見だったのでようやく観ました。無軌道でワイルドに見えて実は「純真さ」に惹かれている主人公たちの悲劇の夏。太陽族って意外と教条的だったりするんですかね?出だしで喋ってる顔をアップにしながら主義を語り合うシーンはとってつけた感というか耄碌ジジイこと愼太郎くささが香ばしいんですが、そこが新しいんじゃなくて今までの俳優とは規格外の人物がスクリーンに躍り出た感がこの映画の肝だと思われます。

裕次郎に対する世代ごとのイメージってかなり違うと思いますが私はもちろん、あの肝臓悪めの色黒ブルドッグ顔でワイドな襟シャツにスリーピースの、あるいはブランデーグラス片手にひとり酒、みたいな「太陽にほえろ!」か「西部警察」をやってたオッさんのイメージです。だけど裕次郎がまだ「裕ちゃん」だった頃を知ってる世代にはやっぱりこの映画の鮮烈な印象が強いんだろうなと。歯並びも悪いしイケメンの範疇からは逸れているとは思いますが全体を引きで見た時のダイナミックな華やかさはアップが売りの俳優時代の終わりを象徴してるんでしょうね。演技も素人臭さが逆にリアルだったんでしょうか?あの「カッハー」みたいな笑い方とか軽さが。対照的にアップが売りであったろう津川雅彦は弟役なのにスタイルも悪いし裕次郎よりも重くて古臭い印象。しゃべり方も語尾上がりで古いなー。でもラストは思い切りダークネス全開な演技で場をさらっていきました。のちに石原婦人となる北原三枝も中性的な顔立ちでお嬢さんなのかと思いきや意外にヴァンプ。あとね、ファンファンですよ。この人は反則ですよ。このあと日活映画の、裕次郎映画の常連になるんですけど日本人の遺伝子が頑張ってようやく裕次郎まで漕ぎ着けたってのに、それをはるかに凌駕しちゃってる格好よさじゃないですか。反則ですよ。

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2017年2月22日 (水)

「沈黙ーサイレンスー」レビュー

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奇しくも「入信 」で芸能ニュースが賑わっている中、マーティンスコセーシーが撮った「沈黙ーサイレンスー」を小6のTVKと観てきました。

隠れキリシタンを題材にとった遠藤周作の原作は出だしのサスペンス感もあり、すごくスリリング(スリリングと云ってしまっていいのどうか)であっという間に読み終わったのですが、映画の方は長尺だったこともあり、割と“丁寧”という印象でした。キリスト教徒ではない私はこのテーマも含め、もっと単純で娯楽的に東宝映画「マタンゴ」を連想しましたが。絶海の孤島とはいかないまでも東の最果ての島国で仲間が次々と命を落とすか、あるいは棄教してるわけです。人間(キリスト教徒)としての尊厳を保ちつつ苦しみもモガキながら生きていくか、キノコ(日本人=仏教徒)として楽しく平和に生きていくか?を迫られて苦悩する主人公ロドリゴ。また築後守井上を演じたイッセー尾形(水野久美に相当する)が彼を残酷だけど甘~く誘惑するんです。

しかしキリスト教を精神の基盤にする人たちの原作に対する解釈はやっぱり切実さが断然違うと感じます。一時期は聖職者を目指していたと云われるスコセーシーにとってあんなアルフォートみたいなレリーフくらい踏んじゃえばいーじゃん、とはいかないあたり、煩悶の描写が、そして踏む瞬間(転ぶ瞬間)の、あのズサーーーン!!みたいなダイナミックなシーンがアイデンティティの崩壊なんだと新鮮には映りますが、自分が信じているものを失うということがどういうことかという意味ではすべての人にとって切実な問題だったりもします。

なんせ内容が内容なんで映画の大半は拷問シーンなので家族向けでは間違いなくありません。でも小6の子供はどうやら話はわかったようで、退屈はしてない様子。これが後々に心の奥底で滋養のように効いてくれればいいなと思います。

あと映画は意識的に音楽を排除して自然音のみだったにもかかわらず音楽監督がザ・バンドのロビーロバートソン(スコセーシーファミリー)だったのはどういうことだったんでしょうか?報酬は全額もらったのか、それとも60%くらいOFFだったのか。

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2016年11月16日 (水)

リップ・ヴァン・ウィンクルの話って知ってます?

先日家族で「君の名は。」を観に行ってきました。

題名からすると女湯がガラガラになる例の話の後日談か何かかと思っていたらぜんぜん違って、出だしは「これ大林の転校生??」みたいな展開。かと思いきや、それが実は前菜みたいなもんで、もっと核心的な、とっても共時代性のある素敵な展開が用意してありました。ロンもちで涙腺を直撃されました。10年くらい前、深夜のNHK_BSで新海誠の短編デビュー作「ほしのこえ」を観てやはり感激してるのですが、基本的に時間のズレによる遠距離恋愛スタイルは踏襲されていましたね。

しかし昨今流行りの「切ない系」のエッセンスってほぼ全て人と人との距離感(物理的に離れているか、相手が死んでる、あるいは別の時間軸にいる)ってとこに大きく依拠してるもんですね。

遠距離といえば思い起こす「ウラシマ効果」について

文系のアタシにはさっぱりなんですが速く動く人は静止している人よりも時間がゆっくり流れるという物理学の現象で、これを扱ったSFは多いです。クリストファーノーランの「インターステラー」はワープしまくった宇宙飛行士と地球に残してきた娘の年齢がどんどん近づいて行って最終的に地球に戻った宇宙飛行士は寝たきりのババアになった娘と再会する話でした(ちなみに「ほしのこえ」はウラシマ効果と混同されることが多いですがあれは手紙が届くのが遅いだけで距離が離れている男女は同じ時間で生きています)。昔話の「浦島太郎」もアメリカの民話「リップヴァンウィンクル」ももしかしたら宇宙を高速移動してたんすかね?

Queenのもじゃもじゃギタリスト・ブライアンメイは天体物理の学位を持っているらしく、この人がまさに「ウラシマ効果」を題材にした切ない名曲を書き上げています。SFなのにフォーキーな「‘39」です。

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2016年2月29日 (月)

シャーロック 忌まわしき花嫁

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限りなく知識0

とある事情でチケットをいただいたので「シャーロック 忌まわしき花嫁」という映画を観に行ってきました。NHKのBSで放映していて一部カルトな人気を博しているBBCドラマの映画化です。

まず断っておきますと、私はこのドラマを観ていません。つまりファンではありません。コナンドイルのシャーロックホームズ自体もそれほど読んでません。宮崎アニメをせいぜい観ていたくらいですが、これはほとんど駿オリジナルなのでホームズファンからしたら別物と云って良い。「え、ホームズって犬じゃなかったんだー」というほど無知ではありませんが、原作もドラマも、それに対する愛情も知識も見識も限りなくゼロの状態で怪事件に挑んできたんですよ、これは相当な難事でした。頭かきむしりました(それは横溝)。

劇場内はほぼ、ドラマを見続けていたであろう女性客で占められていました。カップル映画ではないのです。女同士で萌えながら観る作法と見ました。ベネディクト・カンバーバッチの女性ファン達のことを「カンバービッチ」と呼ぶそうで、そういう“ビッチ”の皆さん(使い方間違ってますか)多数です。

そういった祭りの中に作法を知らない者が紛れ込んだ格好となりまして、でも映画というのはそういう前後を知らない客のためにもある程度わかりやすいストーリーというのを用意してくれる、はず、というのが昨今の商業主義なんですが、この「シャーロック 忌まわしき花嫁」に関してはそういうことはありませんでした。完全に、清々しいまでに「ドラマ知らねぇ奴はとっとと置いてくぞ」というスタイルに貫かれていたのです。ここはもうイギリス人気質なのか、でも置いてかれた私は何故かそれに対して拍手したい気持でした。やっぱりそうこなくっちゃな、こういう突き放し方って最近ないよな、で、自分がわからないのに劇場内がマニアックな箇所で笑ったりしてるの観てすっかりこのドラマを観てなかったことを後悔しました。そもそもシャーロックホームズを現代に置き換えてスマホや最新機器を駆使して事件解決に挑むという設定自体を知らなかったので現代と19世紀を行ったり来たりする展開に目をシロクロさせたんですが映像がスピード感とともに語られて気持いいまでに置いていかれました。あの、決して詰まらなかった訳ではなく、感想としてはもうただ一つ「ドラマ知ってればもっと楽しかっただろーなー」という感じ。

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2015年12月25日 (金)

馬に乗って歌う人

生放送の夜のヒットスタジオで佐良直美が馬に乗って歌っています。
本当に馬をスタジオに連れてくるなんて今じゃ絶対NGだろうし考えられないことです。実際馬が急激に首を回すだけで若干ヒヤリとする感じ、スタジオ中に緊張が走りかけるのですが、そんなこと知ってか知らずか?ポーカーフェイスでさらっと歌う佐良直美が心底カッコいいです。でも最後におマリが放った「だから直ちゃんなかなかお嫁に行かないんだー」は今となっては余計でしたな!歌はカントリー調なのにどことなく演歌という不思議な曲「ひとり旅」です。

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2015年9月 3日 (木)

さーてさてさてこの茶碗

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油断してるとBS_2でしれっとこういう良作を放映するのでマメに番組表をチェックしなければならず疲れますぞい。

マキノ雅弘が監督した『鴛鴦(おしどり)歌合戦』が作られたのは昭和14年。ディックミネの棒読み演技と服部富子(服部良一の妹)の可愛らしさ、32歳には到底見えない老け役・志村喬の歌の上手さ、片岡千恵蔵の顔のデカさと、何から何まで愛くるしいモダーン和製ミュージカルです。この映画のラストで片岡千恵蔵が云う「心の真珠」がずっと大事にされたならば、日本は戦争なんかしようとは思わなかったんじゃなかろうか?というほどに愛に満ち満ちた国民だったんだなあ日本人は。

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2015年7月21日 (火)

グランド“シャイニング”ホテル

ウェスアンダーソンの「グランドプタペストホテル」を観た時の不思議なキューブリック感、そうそう、こういうことだったんですね。非常に分かりやすく混ぜこぜにしてくれて素晴らしい!

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2015年5月 9日 (土)

ニーナシモンに何があった?

むかしウォレスとグルミットを作ったアードマンの短編アニメではじめてニーナシモンを知って即シーデーを購入したことがありました。おしゃれなジャズヴォーカリストだとばっかり思っていたらそうではなく、かなり過激な女だったんですな。日本ではいつ公開になるんでしょーか?

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2015年2月14日 (土)

日産シルビア

こうして観ると30年前と今の車のTVCMって大分違います。車が売れない今の時代のTVCMは性能とか安全性とかに重点を置いている素っ気ないものが多い気がするけど、この日産シルビアのTVCMなんか観ると出だしから「何事!?」ってくらいナルシズム溢れるイキフンですよ。この舐めるようなアングルの繰り返しに「Song by Procol Harum」てドーンと。変態一歩手前じゃないですか。コピーライターも気合い入っているというか頭に血が上っているんですが、この思いっきり振り切れてる感じ、嫌いじゃないんです。スペックなんて小さい文字でサラサラーって流れてるけどこれで良いと思うんですよ、もちろんシルビアS13は性能文句無しの傑作だったみたいですが、それよりも伝えたいことがこの車が持っているこのイキフンていうね。ま、若者が車買わないからなー、デートカーというコンセプトが成り立ちにくいんでしょうが、こういう車のTVCMをまた観てみたいです。

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2015年1月21日 (水)

桃栗三年柿八年

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先日録画していた「時をかける少女」を観ました。

アニメではなく1983年に製作された角川映画です。

今と違ってブリブリな演技を見せる原田知世に半笑いしつつ、なんだかこっぱずかしい気持ちで見始めた本作、気づいたら前のめりになって画面に食い入るようになって隣りで爆睡する嫁の9253を尻目に号泣していました。深夜にも関わらず拍手喝采。こんなに傑作だとは思わなかった!人が思う恋心とか切なさとか真心ってこんな形でフィルムに定着できるんだという驚き、原田知世の今しかない輝きを何とかして焼き付けようと躍起になるオッサンたちの愛、そして化け猫女優の汚名で哀しみの歴史を辿った入江たか子への絶大なるリスペクトっぷり。ラストのクレジットでシーンをおさらいしながら歌い踊る原田知世。好き嫌いが別れるのは分かりすぎるが、私はどうしようもなく好きだ、好きの部類だ!何故ならこれが、これが大林マジックだから。

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