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2014年4月11日 (金)

泥棒のこと

10年ほどまえ新高円寺のライブハウスで友達が深夜にライブをやるので、会場に向かっている最中のことでした。新高円寺行きの丸ノ内線が終わってしまったので中野坂上から徒歩で向かっていると「ドロボォォー!つかまえてぇーー!!」と闇を引き裂く怪しい悲鳴。誰だ、誰だ、誰だ?

悲鳴の聞こえた暗い路地の方に目をやると今しもスナックの扉から勢い良く飛び出してきた190cmは有にありそうな白人男性がこちら(私の方)に向かって全速力で走ってきました。つまりそいつがドロボーで、そいつの逃走経路に立ちふさがる様なかたちに不幸にもなってしまったのがこの私でした。私はそいつを取っ捕まえる千載一隅のベストポジションに深夜の暗がりで本当に不幸にも立たされたわけです。「つかまえてぇーー!!」の悲鳴は私に向かってかけられているのです。

当然パニックになりました。

こちらに向かってくる相手はアメフトのクォーターバックでもやれそうなガタイで、タックルを試みようものならたちまち手塚漫画のヒョウタンツギのごとく弾き飛ばされるのは目に見えていました。一瞬、小学校の運動会リレーの時のことが頭をよぎりました。向かってくる相手に後ろ手をのばして「ヘイ!パス!」とやろうかと。だって向こうにとっては立ちふさがってる私は邪魔者以外の何者でもなく、やっつける対象なわけです。つまり私の身に危険が及んでいるのが今この時、この瞬間、Majiで怪我する3秒前なう。私はストックホルム症候群の一種を発症したものと思われます。この思考のあいだ僅か3秒ほど。

ドロボーはあっというまに目の前を通り過ぎていきました。

私はモナコ・グランプリの急カーブをF1カーがすごい勢いで曲がっていくのをコース脇で見ている観客のような具合になりました。そこで「はっ」となったのです。これではいかんと。そして全速力でドロボーの後を追いかけ始めました。

つづく

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