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2013年10月 2日 (水)

すばらしき世界

もうかれこれ15年以上前のことでしょうか。 卒業したばかりの美大のOB会が原宿の南国酒家であったんですね。若い人もそこそこいたと思うんですが40〜50代の広告業界で働いてられる方達が大半だったと記憶しています。 喋りたい人が壇上に上がってマイクで喋る、みたいなその場のルールが出来ていて「え〜わたくし昭和○○年にデザイン科を卒業しました○○○○です〜今は○○で働いております、どうぞよろしく〜」みたいな私らにとっては「誰なんだよ」みたいな極めて温厚な挨拶が続きました。が一人、相当酒がまわって赤ら顔のおっさんが突然壇上でこう絶叫したんです。


「俺はコンピューターが大嫌いだー、今後も俺はコンピューターを絶対に使わんぞー!!」


おっさんの威勢にその場は笑いと拍手喝采に包まれました。
今、その方どうしていらっしゃるんでしょうか。

2013年の現在はご存知のようにもはやコンピューター無しのマス・コミュニケーションは絶滅寸前です。
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そのおっさんが絶叫していた15年ほど前というのはまだ「デジタル」か「アナログ」か、という二元論が盛んに交わされていたのです。今の若い子たちにとってはそもそも「アナログ」が何なのかさえ、もう分からなくってきてますが、「俺デジタル嫌い、アナログ人間だから」みたいな人が多かったです。だってプレビューで作業ができないようなOSシリーズみたいなの使ってたんですからね、デジタルもまだ拙かった。
今はこんなブログみたいなのやってる私もアナログ側でした。そっち側につく事がもはや江戸末期の幕府軍、みたいな事だろうとはわかっていたのですが気持ちとしては滅びゆく者への郷愁と云いましょうか、結局そんな人情すっぱり溝に捨てて今に至るわけなんですが…。
でも、正直それで自分にとっても、ひいては社会にとっても幸福が訪れたかというとやはりそこは保留というか便利にはなったけど不幸になった度合いは深まったようにも見えます。
ネットがなければライターや出版業界のギャランティだってここまで下落しなかったろうしミュージシャンは潤沢な予算をかけられてグッドミュージックを作れたろうし、世知辛い書き込みで心を痛め、また傷つけあう子供達だっていなかったろうし、仮にペーパーレスになってこれから街の広告が全てデジタルサイネージばかりになったら、チカチカした映像広告が動きなら後を追っかけてきてもうなんだかそれって私には「マイノリティリポート」みたいなデストピアの光景にしか思えないんですよね(気の持ち様なんですが)。心底後ろ向きだし時代からは取り残される思考だし2013年現在そんなこと云ったら世間からそっぽ向かれるし、じゃあお前ブログで何やってんのよって事なんですが(これはあくまで感情の発露という便所の落書きです)デジタルの素晴らしい先進性ばかり信じ込まされてホントは地獄の地獄に突き進んでいるんじゃないかって、15年前のあの壇上のおっさんの事を思う今日このごろだったりもします。だとしたら富士山をはじめ各地の山々が一斉に噴火して全国的に電磁波の嵐が巻き起こって全てのデジタルツールがシステムダウン起こしてしまえばいい!そしたら私ら広告屋はまた顔に白粉塗ったくって手書きの看板肩からかけて太鼓と管楽器でチンドンやればいいじゃない!そういうプリミティブさいいじゃない!なあんて思ったりして。
とりあえずyoutubeみてから寝ようかしら。

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