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2009年10月29日 (木)

アラン・ムーア「フロム・ヘル」

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アラン・ムーアの「フロム・ヘル」(柳下毅一郎翻訳 上・下巻)読了。
1800年代末期のロンドン・イーストエンドで起こった「切り裂きジャック」事件を題材にした、漫画というには少々異端過ぎるグラフィック・ノヴェルです。「フロム・ヘル=地獄より」とはその切り裂きジャックが警察に送りつけた犯行声明の有名な書き出しだそうです。
これ、ビニール包装されていて中身が見れなかったので、購入後にページを開いたら正直「うへー」となりました。アメコミってあまり読んだことがないのですが、それにしたって絵が乱暴なんじゃないか、と。あとコマ割りが9分割というのも非常に馴染みがないし、セリフが半端ないヴォリュームだし「下巻どうしよう」と上巻購入を少し後悔したのですが…、そんな食わず嫌いを今では恥じています。ガル博士の狂った心象風景を表すにはこのタッチ、このヴォリュームでなければならなかったと思いますね。
で、内容の方はもっと凄い。まだ読み終わったばかりなので未整理ですが、数回は読みこまないといけません。なにせ事件当時のロンドンに関わってるカメオ出演が多くて、ざっくり挙げただけでも詩人のウィリアム・ブレイク、イエーツ、魔術師アレイスター・クローリー、作家スティーブンソン、オスカー・ワイルド、意匠家ウィリアム・モリス、独裁者ヒトラー、ジョン・メリック(エレファントマン)、英王室アルバート・ヴィクター、とオカルト・ミステリー好きには堪らない数多くの真っ黒い有名人が出て来て「え、この人とこの人つながってんの」みたいな驚きが注釈と解説とウィキペディア(当てにならないけど)に否応なく読者を向かわせます。それらを1つに束ねるのがロンドンという街と秘密結社フリーメイソンの因果関係。その間を縫うようにして駆け抜ける男の狂気が読み進めるに連れてだんだんと正当性を帯びてくるようにも感じられる不思議。
これを原作にジョニーディップ主演で作られた映画を数年前に観ているのですが全然話の厚みが違います。というか別物です。そもそもこんなとんでもない万華鏡みたいな内容を映画にするなんて出来ることではないでしょう。

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コメント

ちょうど最近、ウオッチメンを買うか買うまいか、
悩んだところでした。あ、ゆでたま&ご、ぢゃないよ。
アラン・ムーア&デイブ・ギボンズ。
フイクションにノンフィクションを散りばめる、
って、素敵だなと思う今日このごろです。
秋ですね。

投稿: 帰ってきた州竹満 | 2009年10月31日 (土) 02時43分

帰ってきた州竹満さま
おかえりなさいませ!州さん?満さん?それとも俺か。たぶん州さんだな
ウォッチメンって方が絶賛してる人多いと聞きますが映画になったやつなのかな。傑作らしいです。アランムーアのこと今までまったく知りませんでした。こんな面白いおっさんがいたんですね。

投稿: たけ | 2009年10月31日 (土) 20時23分

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