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2006年12月28日 (木)

がしゃー

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約束の時間が近付き、刻一刻と時が積み上がっていくとき。
スケジュウルが組まれ、物事が段々と積み上がっていくとき。
麻雀がいろんな取捨選択を経て、積み上がっていくとき。

ああこわい。
何が怖いって、あなた。

「積み上がっていくもの」ほど怖いものはないです。

これは多分、子供の時分からの性分なんですが、予定通りきちんと積み上がっていくものを見ると、強迫観念が働いて、どうしてもそれを一気に「がしゃー」と壊してしまいたくなるのです。待ち合せ場所で約束の時間が刻々と近付くと、その場から逃走したくなり、スケジュウルに反した予定外の行動を起したくなり、綺麗に並んだ雀卓の雀杯を「がしゃー」としたくなるのです。今しも「がしゃー」をしそうになる自分がこわい。
とはいえ私も大人です。仕事柄、スケジュウルというものをどうしても組んだり段取りを整えたりしなくてはならないことが多く、気持ちを抑えつつでも心のどこかで「がしゃー」を聞いているわけで。

このまえ、9253と見学コースに申し込んで目黒雅叙園の「百段階段」を見てきました。
昭和初期に東京中の腕利きの匠と芸術家を集結させて造られた歴史建造物「伝説の4号館」です。部屋の天井、梁、襖、壁、の内装と云う内装すべて、現在の技では再現不可能と云われる当時の最高水準の職人たちによってびーーーいっしりと埋めつくされ、それが4フロアにわたり、これでもかと続くのです。すぐ目の前に匠の技、すぐ後ろにも匠の技、四方八方に匠の技、天井には鏑木清方の美人画。戦火をくぐり抜けた日本の技と美の文化の結晶が深々と70数年積もり積もって惜し気もなく披露されているのです。
頭の中で「がしゃー」という音がしきり。
ここで私が「せいっ」とばかりに襖へタックルして繊細な寄木細工や七宝焼きや清方の美人画がめきめきぱりぱりと折れ曲ったらさぞかし壮観だろな、と云う強迫観念が襲っては消え、楽しかったけど苦しい1時間ちょっと。
自分が歴史的なものに惹かれている1つの理由は実は積み上がったものに対する破壊衝動が綯い交ぜになった愛憎だったと、こんとき気づいたのでした。気づいたが最後、もう京都なんか行ったら頭に血が昇って憤死するかも知れません。これから行くんだけども。

そうこうしてる内に今年2006年も積み上がって後はオカシラを添えて完成まじか。
ここで一気に「がしゃー」と全てが無に帰するほどテッペンから大崩落を見せたらさぞかし壮観な眺めなんでしょうな。けど、そんなこと起こる訳もなく、また来年のスケジュウルはびっしり組まれ、恋人は時間通り待ち合せし、麻雀は横に綺麗に並び、秒が、時が、日が、人間が、自然が、歴史が、たかあくたかあく積重なって一分の狂いもなく、でも狂いながら進んで、私はじじいになっていくのです。


皆様のますますのご活躍とご発展を心よりお祈り申し上げて

良いお年を

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