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2005年11月22日 (火)

浅草紅団の末路

夕闇に包まれようとしている浅草の一角、神谷バーで電気ブランを飲んでいた時、こちらをじっと見ている70代くらいのおじいさんがいました。
誰なんだろう、知り合いにあんなおじいさんいないし気味が悪いや。
目をそらして電気ブランに痺れながらまた目をやると、いつのまにかおじいさんは私のすぐ隣にいました。そして寝ているのか起きているのか判然としない糸屑みたいな目をさらに細めて私を凝視しています。
私がそちらに向き直ると、突然、おじいさんは片手を振り回しながらこう切り出したのです。
「さっきからあなたを見ていましたが私は確信しました。あなたは100年前、香港に住む女だったのです。長年いろんな人を見ているから私には分るんです。あなたの顔、あなたの喋り、間違い無くあなたは香港に住む絶世の美女だったのです!」
それは…、私の前世の事を云っているのでしょうか。一体この気味の悪いおじいさんは誰なんでしょうか。浅草で前世見の占師をやっている人なんでしょうか。それがなんでこんなトコで知らない私に話し掛けているのでしょうか。ひょっとすると気狂いかも知れません。
「僕には何のことやらさっぱり…」
面喰らった私におじいさんは畳み掛けるように香港の女の事を喋ってきます。どうやらおじいさんはその女にそうとう未練があるような事を云っているのです。とするとこのおじいさんは100歳を優に超えているという事なんでしょうか?
1時間ちかくこのおじいさんの話しを一方的に聞かされましたがこちらの問いかけに対してはまったく要領を得ないので堪らなくなって席を立ちました。私の去り際におじいさんはまた違う人にこう喋りかけていました。
「ところで森繁久弥の事なんだがねぇ…。」
一体何なんでしょうか。

神谷バーを出た後、帰る方向がすっかり分らなくなって花屋敷の裏あたりで迷子になりました。
ryoun2

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