美術は人を殺すのか〜杉本博司展〜
コンラッドの「闇の奥」が水平移動の恐怖なら、昨日の私が体験したのは垂直移動の恐怖でしょう。
六本木ヒルズに家族で出かけたのですが老若男女入乱れる低層階でもまれ息も絶え絶えだった私たち3人を53階で待っていたのはマーロンブランドにも匹敵する恐怖空間でした。大きくて飲み込まれそうなものに私は幼い時から恐怖を感じていましたが呑気にエレベーターに乗っている時、まさかそんな地獄の回廊巡りをするとは露知らず。無限大に続く水平線と如来像、落ちていきそうな巨大な劇場写真、まるで大きな富士山が目の前にそびえる平原に家族3人で取り残されたようです。また展示会場が高層階に位置しているということもあって、心の平静を全部奪い取られたかたちで鑑賞しなければならず、ただただ妻と子供をかばうことで必死でした(死にそうになっていたのは自分だけ?)。恐怖の反対側に突き抜けた時、何を感じるか、そっからが自分にとって重要であり1500円の元取りなんですが、そんな余裕ありません。美しいものっておっかない。杉本博司の「時間の終わり」はとても素晴らしい展示ですが家族でのんびり見に行くものではありません。鋭利な刃物でこちらに人殺しの勢いで迫ってくる美術です。
昔、けやき坂で追突されて死にかけたけど、また死にかけた。ヒルズは私を本気でやっつけるつもりらしい。
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» 『杉本博司 時間の終わり』展 [KKS Blog]
もう2週間ちょっと前になるけど森アート・ミュージアムで開催中の『杉本博司 時間の... [続きを読む]
受信: 2005年11月 8日 (火) 16時31分










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