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2005年11月 2日 (水)

坊や大きくならないで

曇空の下、私は京都丸太町の路地で迷子になっていました。高野悦子さんの下宿跡を探していたのです。1969年、学生運動の嵐が吹き荒れる中、立命館大学3回生だった二十歳の女の子が革命思想と己の存在のギャップからキャンパスで孤立し鉄道自殺しました。彼女の残した手記を京都タワーの本屋で購入した私がホテルを飛出したのは高野さんに会って「なんにも心配しなくていいんだよ」と言ってあげたかったから。

結局道がわからなくなってとぼとぼと高架線の下をくぐり抜けると突然、雲の隙間から光がさしてアスファルトを照らしました。リンリンと音がしたので振り返ると自転車に乗った笑顔の女の子が私を追い抜きざまに手を振って去っていきました。その笑顔はまぎれもない新潮文庫の扉で無邪気に笑う彼女そのものだったのです。その時私は悟りました。もし高野さんが生きていたら自分の母とほぼ同い年、もしかしたら自分は寺山修司がいう「未だ見ぬもう一人の母」を探しにはるばる京都まで来たんじゃないかしら、と。どこからかダスティスプリングフィールドの唄う「ディス・ガイ」がふわふわと風にのって流れて来ました。ああよかった、真黒な彼女のイメージが明るく昇華された瞬間、「おっかさん!」と私は涙と鼻水で顔を越冬隊員のようにしながら絶叫しましたが自転車の女の子は光に照らされながらリンリンとベルを鳴らして遠くに小さく小さくなっていました…。

家に帰ると母はテレビを見ていたわけです。fho

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コメント

あ、おれんちだ。

投稿: はしもとさん | 2005年11月 2日 (水) 18時26分

あ、おれんちだ。

投稿: はしもとさん | 2005年11月 2日 (水) 18時27分

なんで?2回も?

投稿: はしもとさん | 2005年11月 2日 (水) 18時28分

なんで?2回も?

投稿: はしもとさん | 2005年11月 2日 (水) 18時28分

うをー。こんだけで良くわかったな!

投稿: 竹 | 2005年11月 2日 (水) 18時47分

♪フランシールの場合は〜
つうことで
見に来たよ〜。
ポークパイハットって、右上のおじさんが被ってるやつ?
Kは元気?

投稿: しゅう | 2005年11月 3日 (木) 21時57分

しゅうさんいらっしゃい!9253にしゅうさんに教えろ!って云ったんだよ。
ポークパイハットそうですね。あとフレンチコネクションのポパイ刑事が被ってたですね。股のおこしを!

投稿: 竹 | 2005年11月 4日 (金) 10時29分

しゅうさんいらっしゃい!9253にしゅうさんに教えろ!って云ったんだよ。
ポークパイハットそうですね。あとフレンチコネクションのポパイ刑事が被ってたですね。股のおこしを!

投稿: 竹 | 2005年11月 4日 (金) 10時29分

しゅうさんいらっしゃい!9253にしゅうさんに教えろ!って云ったんだよ。
ポークパイハットそうですね。あとフレンチコネクションのポパイ刑事が被ってたですね。股のおこしを!

投稿: 竹 | 2005年11月 4日 (金) 10時30分

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