土曜日、マンション内の防犯委員会に入らされているために夜回り。無言のまま夜回りを終えて集会所に集まった夜警メンバーは私を除いて全員60代後半から70代で、その生活リズムから興味のあることや仕事、趣味等、まったく会話に入ることが出来ず、皆さんも私に対して若干違和感と共に気を使ってソットしておいてくれているという状況がしばらく続いていた中、あえて限りなく透明に近い存在として気配を消していた私がこの日突然彼らの注目を集めたのは、吸っている煙草がハイライトだったことからでした。
「あんたハイライトなんて吸ってんの」
「本当だ、ハイライトだ」
「へぇえ、その年でハイライト」
「ハイライトかぁ」
「見てくださいよハイライトですよ、ほら」
「ハイライトだわー」
ハイライトにみんな一斉にぐわーっと食い付いて来て吃驚してしまいました。高度経済成長を支えてきたであろう世代にとって「ハイライト」がどんだけ特別の記号性を持っているのか知る由もありませんが食い付かれた以上「ええ、ハイライトなんですよ」と嬉しそうに返したはいいものの別に自分が褒められた訳ではないのでやっぱりどうしたらいいのか分かりませんでした。ハイライトを突破口に彼らの会話に切り込んで行くのかどうか、今後の出方を検討します。
日曜日、9253の元会社同僚たちとF谷さんの新居を訪問しました。外目はギリシャ地中海風の白い建築、中目はモンドリアンとジェームズタレルを足したような完成度。食器はアラビアとウェジウッドのみ!赤ワインの一滴たりとも零すまじとハラハラしてまいりました。
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